箱罠は種類によっては獲物がかかった場合、曲げられて脱走された挙句、トリガーが壊れてしまった!という事は良くあります。
逃げてしまった獲物は何がかかっていたかは推測するしかありませんが、内側に引っ張って逃げられているような形跡がある場合は殆ど猿の仕業です。
箱罠と言っても大小さまざまなサイズがあり、ネズミ用は免許不要でも設置できることは他の記事でも解説している通りです。
中サイズの小動物系の箱罠となるとハクビシンやアナグマが対象なのですが、たまに猿がかかって逃げられることがあります。
ハクビシンやアナグマでは歯も細く小さいので、罠を齧ってひっぱったら歯が折れてしまうでしょう。
と、いう事は猿の仕業です。
前置きが長くなりましたが、壊された箱罠はトリガー部分が曲がって使えなくなっても大丈夫です!一番肝心な部分はバネで蓋がしまる機構が生きていれば確実に再利用可能です。
今回は私が数年使用して壊された箱罠を実例に、実際に箱罠のトリガーの作り方と仕組みを解説して再利用できるように修正してみましょう。
箱罠も買えば結構高いので、捨てちゃうなんて本当にもったいないです!本記事の画像は勿論、Youtubeでもトリガーの作り方と仕組みを詳しく解説しているので、最後までご覧ください。
記事の要約とポイント
- 壊れた箱罠は捨てるな!!トリガーが曲がっていても、踏板が壊れていても蓋が締まる機構さえ生きていれば自作して再利用可能。
- 壊れた箱罠改造して動作させる具体的な仕組みは様々あるが、今回は踏板式から餌を引っ張るとトリガーが外れて蓋が閉まる仕組みで作ってみた。
- 箱罠の仕組みは引っ張ってトリガーが外れる方式や、張った糸に引っかかって蓋が落ちる蹴り糸式、本来の踏板など仕組みは様々だ。
- 箱罠の再利用でお勧めしたいのが、基本的に材料は0円で作ることが出来る事!仕組みも簡単なのでぜひ復活させて獲物を獲れる状態に治してほしい。


箱罠のトリガーの仕組みについて解説する前に、箱罠の法律について現役猟師の私が簡単に解説します。
これを知っておくことで違法罠とならず合法で箱罠を楽しむことが出来ます。
まず、全ての箱罠は大小にかかわらず購入時に免許の提示は必要がないので、無免許でも購入することが出来ますが、使用には資格が必要な場合とそうでない場合があります。
箱罠やくくり罠で熊を捕獲しようとした場合、たとえ免許があっても多くの自治体で禁止されている事が多いです。実際私の住んでいる地域でも熊の箱罠捕獲は違法で、もし誤って捕まえてしまった場合は錯誤捕獲として役場に通報するルールとなっています。安全上の危険性がある場合は警察に通報する場合もあります。
根拠として環境省のPDFファイルを載せておきますが、こちらの資料をみて頂いても分かる通り、しっかりと箱罠で熊を捕獲した場合は錯誤捕獲と書かれていますよね。
また、他の記事で解説した通りホームセンターで販売している小さな箱罠に関しては完全に免許不要ですが、ネズミしか捕獲できません。
自分の畑で実際に被害がある場合は、役場等に相談した上で無免許でも自宅の敷地内で安全な場所に限りはこ罠の設置が許可される場合があります。
法律の前置きが長くなりましたが、箱罠の仕組みとトリガーの自作方法について解説していきます。
準備するものはカッターナイフやハサミ、場合によっては箱罠のフレーム部分を切断する必要があるので、金属が切れるのこぎりやグラインダーがあると便利です。
材料は適当なタコ糸と割りばしで、餌はハクビシンを捕まえる時はミカンやリンゴがお勧めです。
たったこれだけで箱罠の修理が完了します!
めちゃくちゃシンプルじゃないですか?捨ててしまうなんて本当にもったいないので、以降の見出しで作り方の詳細を解説していきます。
箱罠トリガーの仕組みと自作する基本の作り方
箱罠
トリガー
熊
イノシシ
種類
熊やイノシシを確実に捕獲するための箱罠トリガーの仕組みと失敗しない作り方の基本をプロの視点で解説します。ターゲットの種類や罠のサイズが小型か大型かに応じた適切な部品選びが重要です。また自作の罠を山林に設置する際は違法にならないよう必ず事前に正しい手順で設置許可を取得することが必須条件となります。
- イノシシや熊を狙うなら知っておきたい箱罠の種類とトリガーの役割
- 蹴り糸式など小型から両開きまで対応可能なトリガー部品の選び方
- 違法捕獲に注意!罠を自作・改造する前に確認すべき設置許可の壁
イノシシや熊を狙うなら知っておきたい箱罠の種類とトリガーの役割
今回は主に入れたエサを引っ張ると罠が作動する最もシンプルでわかりやすい方式で罠を修理しました。
動作の様子はインスタにも載せているので、是非ご覧ください!勢いよくトリガーが外れているのがわかりますよね?
見出しのタイトルがイノシシや熊を狙うならと書いてるけど、前に法律で箱罠での熊捕獲は禁止!って書いてなかったか?アレこいつ矛盾してるぞ?
って思ったと思います。
この矛盾について現場目線で説明します!実際のところ、ハンターが銃で熊を狙うのも命がけで相当なリスクを伴います。
当然ですが、ただ単に罠の免許しかもっていない猟師なら熊が錯誤捕獲した場合はどうしようもありませんが、銃をもったハンターなら別です。
たとえ錯誤捕獲とは言え、箱罠に入った熊を狙い撃ちするのと、山で自由に動き回っている熊を仕留めるとではリスクが桁違いなのは免許を持っていなくても想像がつくと思います。
つまり、シナリオはこうです。
本当は禁止されているけど、鹿やイノシシで箱罠をかけているていで、クマが好きなブロック肉をつるしておきます。
熊がかかったら錯誤捕獲という事でまずは役場と警察に連絡。
そして、許可が下りれば銃を持ったハンターが止め刺しをする…といった仕組みです。
また前置きが長くなりましたが、続いて箱罠のトリガーの種類について解説します。
- 踏板式は、獲物が板を踏むとトリガーが外れて蓋が自動で閉まる仕組みだが、構造が複雑で今回の様に故障しやすいという欠点がある。
- 獲物が餌を引っ張ると外れる引きがね式は最も構造がシンプルで、箱罠以外にも様々な代用が出来、材料もタコ糸と割りばし位。
- ふみ糸式はピンと張った糸に獲物が引っかかると蓋が閉まる仕組みで上記の引き金式の応用。こちらも材料がシンプルなのでお勧めの罠です。
ポイントは踏板式は今回のように構造が複雑で一度アームが曲がると修復は大変困難という事です。
アームを手でまげて直したとしても、微妙に曲がっているとフレームと擦れたりして動作が中途半端になってただ獲物をビビらせるだけという場合もあります。
箱罠の主要トリガー3つのメリットとデメリットを表にまとめました。
| 方式 | 仕組みの概要 | メリット | デメリット |
| 蹴り糸式 | 罠の奥に糸を張り、獲物が触れるとピンが抜けて扉が落ちる仕組み。 | ・構造が単純で自作・修理しやすい。 ・製作コストが非常に安い。 ・感度の調整が物理的に分かりやすい。 | ・糸が見えると警戒される。 ・空弾き(獲物が入る前に落ちる)が起きやすい。 ・小動物や風で誤作動しやすい。 |
| 踏板式 | 底板を踏むとテコの原理やワイヤー連動でロックが外れる仕組み。 | ・糸がないため獲物に気づかれにくい。 ・足元に集中する習性を利用できる。 ・土を被せて隠すことができる。 | ・泥詰まりや凍結で動かなくなることがある。 ・構造が複雑で、設置に手間がかかる。 ・裏側に土が入ると作動しなくなる。 |
| 吊り餌式 | 吊るされた餌を引っ張ると、連動したフックが外れる仕組み。 | ・特定の餌に執着する個体を確実に捕らえられる。 ・アライグマなどの手先が器用な動物に有効。 ・設置スペースを節約できる。 | ・餌を引っ張らないと作動しない。 ・餌の鮮度管理が必要。 ・鼻先で突くだけの個体には反応しにくい。 |
蹴り糸式など小型から両開きまで対応可能なトリガー部品の選び方
基本的な仕組みは両開きだろうが片開きだろうが同じで、まずは罠の蓋が正常に閉じる事が何より重要です。


上の、画像2枚をご覧ください。
左の画像ですが、フレーム全体にゆがみが無い事が分かります。
このフレームが歪んでいると、蓋が正常に閉まらず獲物を逃がす事になるので、まずはフレーム全体にゆがみが無い事を確認してください。
そして、次に重要なのが蓋がバネでちゃんと閉じる事です。
ここが曲がっていたりすると、フレームに引っかかって正常に蓋が閉じずに獲物を逃がすことになるからです。
そして、右の画像をご覧ください。
踏板式は、反対から扉を開けて餌を設置しやすいようにしてありますが、踏板を外した以上、この扉の役割は不要で、開く必要が無いので針金でしっかりと固定してある事がわかります。


続いて、上二枚の写真について解説します。
まず、左の洗濯ばさみのようなものですが、これは実際に洗濯ばさみではなく木工用に使う、木材を固定してずれないようにするための工具ですが、これが蓋の固定に非常に便利です。
他にも応用が利くので、一つくらい購入しておいても良いと思います。
続いて右の写真です。
この写真は赤文字と共に、箱罠の修理に必要な材料について解説しています。
必要な材料と道具は次の通りです。
画像には載せるのを忘れましたが、ピンバイスという細いドリルを使って割りばしに穴を空けると紐が結びやすいのでお勧めのポイントです。
わりばし
タコ糸
強力な洗濯ばさみ
ハサミ
ピンバイス
違法捕獲に注意!罠を自作・改造する前に確認すべき設置許可の壁
設置許可の壁を爆速で突破するには、なによりも狩猟免許を取得する事が近道です。
いくら被害が出ていると言っても、例えば公共施設でどんな人が来るか分からないような場所や、子供の多い保育園や幼稚園では万が一の事があってはいけないので、無免許のまま設置許可を得る事は現実的に難しいと思います。
そこで、狩猟免許を取得して猟友会に入るのが一般的なのですが、猟友会ってどんな組織?人間関係がめんどくさそうって聞くけどどうなの?
真相を知りたいと思います…私が先輩猟師から聞いた猟友会の怖い話は、以下の記事で詳しくまとめているので、是非併せてご覧ください。
実践編!プロが教える箱罠トリガーの作り方と確実な作動の仕組み
箱罠のトリガーを確実に動作させるための仕組みを結論から解説します。
それは、テンションを適切に保った状態で糸を調整する事と、対象獲物に対する餌の種類、最後に本体の角度や設置場所です。
地面が平ではなくぼこぼこしていて石が挟まっていた場合、獲物が箱罠の入り口に一歩足をかけた時点でグラグラした動作が原因で罠が誤作動する可能性があります。
また、グラグラした箱罠は獲物に強烈な違和感を与えます。
ただでさえ自然の中では目立つシルバーや白のタグなので、箱罠に入る時も相当警戒するはずです。
見た目だけでも違和感があり恐怖心を与えるのに、加えてグラグラし本体だと獲物は警戒して逃げ出してしまいます。
罠の誤作動や獲物の警戒心を無くすために、ある程度地面は平らにして清掃する必要があります。
また、違和感を隠す為に地面や罠の周りはその辺に落ちている枯れ葉や木で装飾するのも効果的です。
今回は説明をわかりやすくするため、あえて黄色のタコ糸を使いましたが黄色より黒のタコ糸でとにかく目立つものを一つでも減らす努力が必要です。
実践編!箱罠トリガーの作り方と作動の仕組み
蹴り糸
両開き
部品
自作
違法
身近な店舗で揃う部品を使った具体的な箱罠トリガーの作り方と両開きの扉を確実に落とす作動の仕組みを大公開します。ネット掲示板で失敗談が多い蹴り糸のテンション調整など現場の裏話を交えて解説。違法捕獲を防ぐ設置許可の注意点も網羅し壊れた罠を自作で最強の捕獲装置へと再利用するプロの秘訣をお伝えします。
- 全公開!!壊れた箱罠の再利用テクニックと仕組みの最適化
- 蹴り糸のテンション調整と両開き箱罠における誤作動を防ぐ仕組み
- ジビエの王様!ハクビシン・アナグマの捕獲率を爆上げする餌
- 箱罠トリガーの作り方と仕組み総括!設置許可を守って安全な運用を
全公開!!壊れた箱罠の再利用テクニックと仕組みの最適化
では、実際に作り方を解説しますが文章では伝わりづらいので、作成したYoutube動画をご覧いただくとして、ここではポイントだけをお伝えします。
壊れた箱罠の再利用テクニックで最も重要なのが先の見出しでも解説した箱罠の状態です。
フレームが歪んでいない事と、蓋が閉まる機構がスムーズに作動する事が最も重要な要件で、それ以外は調整次第でどうにでもなります。
実際に作る時は、動画の様に蓋を開けた状態で洗濯ばさみで蓋を固定して罠を設置するのですが、この時、トリガーが蓋を開けた状態でもしっかりと固定できる状態までテンションを貼るのがポイントです。
蹴り糸のテンション調整と両開き箱罠における誤作動を防ぐ仕組み
蹴り糸という今回とは少し異なる仕組みの罠ですが、これは応用で仕組みは変わりません。
餌の代わりに張力を保った糸がトリガーに接続されており、蹴り糸の張力がトリガーを保持しているというだけで非常にシンプルです。
こちらは餌に興味をもって近づくだけで作動させることが出来ます。
少し複雑に感じるかもしれませんが、踏板式・蹴り糸式・引張式の罠を全て一つの箱罠にセットする事も可能です。
仕組みはとても簡単で、初めに蹴り糸式を軸として罠を設置します。
蹴り糸なので、蹴り糸の部分に棒を載せればそれが踏板の代わりとなり、蹴り糸式のトリガー部分に餌を付ければ餌を引っ張っても罠が作動するようになります。
今回はここまでは解説していませんが、要は一つのトリガーに複数の方式の罠を結び付けただけので、難しいことはありません。
用意されたくくり罠を使いこなせるようになるのは当たり前ですが、このように自分でどのように罠を設置するのか考える事も狩猟や害獣駆除の一つだと思うのでじっくりと試してみてください。
ジビエの王様!ハクビシン・アナグマの捕獲率を爆上げする餌
解説した通り、この箱罠で熊やイノシシを捕獲するのはサイズや強度的にも不可能なので諦めてください。
熊は箱罠で捕獲が禁止されているのは勿論ですが、こんな強度の箱罠は熊が乗った時点でぺしゃんこになります。
イノシシのパワーや体重も侮れません。
体重100kgを超える巨体も珍しくないと言われているので、突進して体当たりしたりされれば罠はバラバラになります。
サイズ的に丁度いいのがハクビシンやアナグマ、ウサギです。
うさぎは草食動物なので、肉は食べませんが、ハクビシンやアナグマは肉食動物で雑食性があります。
野菜は勿論、フルーツも大好物で、肉よりも甘いフルーツ類を好んで食べるそうです。
柿やミカン、バナナを入れるとよく捕れますが、バナナは匂いが強い一方で腐りやすいというデメリットがあり日持ちしません。
その点、りんごやミカン・柿であれば日持ちもします。
ゆずやレモンは匂いが強烈なので、罠の周りに汁を垂らすのも効果的な戦略です。
罠にこれらの餌を設置する時のポイントは箱罠の中だけに餌を入れるのではなく、外にも満遍なく撒いて警戒心を薄れさせるのがポイントです。
箱罠トリガーの作り方と仕組み総括!設置許可を守って安全な運用を
箱罠は壊れてしまって捨ててしまうユーザーが非常に多いですが、捨ててしまうのはもったいないないので、直して使った方が良いという事が分かったと思います。
直すのも特別な道具や材料は必要なく、タコ糸と割りばしがあれば基本的には大丈夫です。
罠は、始点・力点・作用点と全く同じでこの仕組みの応用と言えます。
被害が出ている場所でも、公共施設では許可を出すのが難しい場合もありますが、最速で問題を解決したいなら、狩猟免許を取得する事をお勧めします。
国家資格なので持っていても損は無いと思います。
それでは、これまでの総括として壊れた箱罠のトリガーの作り方・材料をQAとしてまとめます。
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箱罠は法律で禁止された狩猟方法ですか?
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熊は通常箱罠で捕獲する事は禁止している地域が多いですが、あえて錯誤捕獲として役場や警察に通報してから銃で止め刺しする方が現実的に安全という見方もあるようです。
また、ネズミを捕獲するような小さな箱罠はホームセンターでも販売されており、狩猟免許は必要ありません。
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トリガーの作り方と材料は?初心者には難しい?
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私のYoutube動画をご覧いただいた方ならわかると思いますが、トリガーを作るのは非常に簡単で、むしろ初心者向けです。他でも解説している通り材料はタコ糸と割りばしがあればできます。私の箱罠の場合、防草シートのピンを金属製のトリガーとして加工して使っていますが、ぶっちゃけ割りばしで十分です。箱罠に穴を空ける時もサンダーなんて必要ありません。金属が切れるのこぎりがあれば十分です。
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役場から設置許可が下りた場合、害獣駆除におすすめの餌は?
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ハクビシンを狙うなら、りんごやバナナ、ぶどう、みかんなどの甘いフルーツ類がお勧めですが、雑食性なので残飯でも行けます。アナグマも同様に雑食性でなんでも食べます。ハクビシンもおいしいですが、アナグマはジビエの王様と言われているようです。
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猫がかかってしまった場合は?
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猫は相当な山奥でない限り、のねこにはなりませんので、基本的には遠く離れた場所まで移動して逃がすのが最も安全です。一応法律上は猫も害獣扱いなので、ノネコであれば捕まえて駆除する事もたべる事も出来ます。但し、ノネコという事を証明するのは非常に難しいので、猫には基本手を出さないで逃がす!のがお勧めです。
「錯誤捕獲の義務」: 「万が一、目的外の動物(熊や天然記念物、飼い猫など)がかかってしまった場合は、速やかに放獣(レリース)するか、自治体の指示を仰ぐことが、狩猟免許保持者としての責務です。この『誠実な対応』こそが、長く罠師を続けるための秘訣です」
参考



